マネージャー日誌#8「お客様は神様です」?


物事の本質を見極めることのできる人間でありたい

クレーマーの常套句、

「お客様は神様でしょ?」

とは言っても、最近は流石に、ここまで露骨に言ってくる方は減ったかもしれません。

しかし、「お金を払ってるんだから」と考える人はいまだに多いのではないかと思います。

「お客様は神様です」はビジネス用語ではないし、ビジネスシーンに使えない

「お客様は神様です」は、演歌歌手である故・三波春夫の言葉として知られています。

この言葉の真意について、オフィシャルサイトで以下のように述べられています。

三波春夫にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズなのです。

 三波が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません。

また、ご本人は以下のようにおっしゃっていたそうです。

『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです』

このように、もともとビジネス用語でもありませんし、「お客様」という言葉が共通しているからといって、ビジネスシーンにおいて「お客様を神様のように扱いなさい」となる必然性はどこにも無いと考えます。

したがって、「お客様は神様なんだから(もっとサービスしろ)」と要求してくる”オキャクサマ”は、

1.「お客様は神様です」という言葉の本当の意味を知らない、あるいは知ろうとも思わない

2.「お客様は神様です」というフレーズが、無条件にビジネスシーンで使えると思ってしまっている

という、二重の間違いを犯していると言えると思います。

神様でないなら、何か?

“契約の相手方” です

私は、できる限りゲストのためになるようにサービスを提供していきたいと考えているつもりですが、それは単に「お客様のために」ではなく、「“ゲストハウス海風を選んでくれた”お客様のために」だと思っています。

安いんだから、文句言わないでください

などと言うつもりは毛ほどもありませんが、例えば、吉野家や松屋で、舌鼓を打つような絶品の肉料理が食べられると思っているお客さんはいないですし、ユニクロやGUで、雪山でも耐えられるような防寒性のあるウェアを購入できると思っているお客さんはいません。

世の中には「支払った費用を遥かに超えるサービスを受けられる」ようなものはほとんど無いと思います。

それがビジネスの本質であると思うのです。

もちろん、ゲストの期待以上のサービスを提供できるように努力することは大前提ですが、たまにホテル並みのサービスをお求めになる方がいらっしゃいます。そういった方には、さすがに「勘弁してください」と言いたくなってしまうのです。

「こっちはお金を払ってるんだから」と言うのも、おかしい

金銭の支払いと、サービスの提供は等価交換なので、お金を払うという行為は、サービスを受けるためのものであって、一方的に恩着せがましく言えるものではないと思います。

「支払ったお金に見合ったサービスになってない」

と主張するのは、(本当に見合ってるかどうかは別として)筋が通っていると思います。

お客様のシビアな目によって、宿はさらなる成長の機会を得ます

「厳しい目」よりも「確かな目」

ゲストハウス海風は、少なくとも私がいる間は、どのようなゲストが宿泊していたとしても、良い意味でも悪い意味でも、あまり関係なく、常に進化を目指して前に進んでいきます。

例えば、

「ホテルでは〇〇なのに、どうしてココは〇〇なのよ!」

とクレームをおっしゃってもピンと来ないですし、どうやって改善して良いか見当がつかないケースがほとんどだと思います。

しかし、例えば

「同じエリアにある、あそこのゲストハウス、価格も品質も同じぐらいだけど、向こうにはエレベーターが付いてたよ」

と言われたら、かなり考えさせられると思います。その分価格を下げようか、いや価格は下げたくないから、その分、なにか品質を上げられないだろうか・・・などなど。

サービスの提供側であっても、消費者側であっても、私は、やはり賢くありたいと思っています。

契約の当事者として、期待を超えるサービスをお届けしたい

「こんなもんだろう」を超えていきたい

私は、お客様を神様として見ることは、空前絶後です。

ゲストハウス海風に、お金を払って宿泊していただいた契約の相手方として、「こんなもんだろう」と納得しているゲストに対して、「期待以上だった」と思ってもらえることを喜びとして、頑張っていきたいと思います。

私は「上から目線」でしょうか?

ここまでお読みになって、そうお感じになった方もいらっしゃると思いますが、

あくまで私は「宿とゲストは対等な関係」だと思っていますし、そうあるべきだと思います。

ゲストの声・要望というものは様々で、180度異なる要望もあります。宿としても、全ての声に応えようと思うと、全く主体性を保てないのです。したがって、対等な関係でなくてはならないのです。

様々な声をいただき、「是は是、非は非。」と、主体性を持って考えていかないと、芯のない企業になってしまい、それはゲストのためにもならないと思います。

賛否両論ある話題かと思いますが、書きたかったこと、書いてみました。


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